2020/02/11

大切なひとからは一歩距離を置きなさい。

わたしが愛してやまない「マリア様がみてる」の登場人物、佐藤聖さま、のお姉様の台詞だ。聖さまはさっぱりさばさばした主人公の二つ上の学年の先輩で、白薔薇さまと呼ばれる生徒会役員なのだが、その薔薇の色のとおりちょっと淡泊で、本音をキャラで隠したようなところのあるひとだ。その聖さまも、入学したてのころはもっと尖っていて、ガラスのように繊細で壊れやすい少女だった。高校生になりたての聖さまはそこで恋をするのだが、あまりにまっすぐで、情熱に忠実で、二人の関係は壊れてしまう。その様子を見ていた聖さまのお姉様が、この台詞を投げかけるのである。

わたしは聖さまに憧れるその他大勢のひとりで、聖さまでもないくせに、この台詞をいつも心の片隅に置いてきた。というのも、わたしは好きだと思ったひとと距離をつめすぎではないかと思ったからだ。恋人でも友達でも、好きなひとの一番でいたいし、何でも知りたいし、何でも知って欲しい。

しかしそういうの、たぶんちょっと重いのだ。

ひとは他人の何もかもを受け入れることなんかできない。このひとは優しいし、何もかも受け入れてもらえる、自分だってこのひとを愛しているのだから、何もかも背負える、そう思ってしまったとしたって、そんなのは幻想だ。渡してしまえば自分が自分ではなくなってしまうような部分が誰にでもあるはずだし、そういう部分があるからこそひとはひとを好きになるのだ。

この言葉が、好きの気持ちが暴走しようとしたときの戒めになるといい。